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20代が着実に資産を築く先取り貯蓄の始め方:無理なく続ける具体的なステップ

Tags: 貯蓄, 先取り貯蓄, 資産形成, 新社会人, 家計管理

お金に関する知識がほとんどない新社会人の方にとって、将来への漠然とした不安を抱えつつも、何から始めて良いか分からないと感じることは少なくないでしょう。貯蓄や資産形成の第一歩として、本記事では「先取り貯蓄」という考え方と、それを無理なく始めるための具体的な方法についてご説明いたします。

先取り貯蓄とは何か

先取り貯蓄とは、給与が振り込まれたらまず最初に一定額を貯蓄用口座へ移し、残ったお金で生活を送る貯蓄方法を指します。いわゆる「残ったら貯蓄する」という後回しのアプローチとは異なり、貯蓄を最優先する点が特徴です。この方法は、意識せずにお金が貯まる仕組みを構築し、無駄遣いを抑制することに繋がります。

なぜ20代に先取り貯蓄が最適なのか

20代は、多くの方にとって社会人としてのキャリアをスタートさせ、収入を得るようになる時期です。この大切な時期に先取り貯蓄の習慣を身につけることは、将来の資産形成において大きなアドバンテージとなります。

  1. 習慣化の定着: 若いうちから貯蓄を習慣にすることで、将来にわたって無理なくお金を貯め続ける基盤ができます。
  2. 複利効果の恩恵: 貯蓄や投資によって得た利益が、さらに利益を生む「複利」の力を最大限に活用するには、長い期間が必要です。20代から始めることで、複利効果の恩恵を長く享受し、資産を効率的に増やす可能性が高まります。
  3. ライフイベントへの準備: 結婚、住宅購入、子育てなど、将来起こりうる様々なライフイベントには多額の費用がかかります。先取り貯蓄は、これらのイベントに備えるための大切な準備となります。

具体的な先取り貯蓄の方法

先取り貯蓄を始めるための具体的な方法をいくつかご紹介いたします。ご自身の状況に合わせて、無理なく継続できる方法を選びましょう。

1. 会社の財形貯蓄制度を活用する

勤めている会社に財形貯蓄制度がある場合、これが最も手軽で確実な先取り貯蓄の方法の一つです。財形貯蓄は、給与から天引きで自動的に貯蓄される仕組みであり、一度設定すれば意識することなくお金が貯まっていきます。一般的には「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があり、特に財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄には税制優遇措置が適用される場合があります。

2. 銀行の自動積立定期預金を利用する

多くの金融機関では、毎月決まった日に普通預金口座から定期預金口座へ自動的に一定額を振り替える「自動積立定期預金」のサービスを提供しています。これにより、普通預金に預けておくと使ってしまいがちなお金を、計画的に貯蓄に回すことができます。一度設定すれば、あとは自動的に実行されるため、手間がかかりません。

3. 証券口座での自動積立(投資信託、つみたてNISA、iDeCo)

貯蓄に慣れてきた方や、より積極的な資産形成を目指す方には、証券口座での自動積立も選択肢となります。投資信託、特に国が推奨する非課税制度である「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、少額から始められ、長期・積立・分散投資に適した方法です。

注意点: これらの方法は「投資」であり、元本保証はありません。市場の変動により、投資した資産の価値が変動し、元本を割り込む可能性も存在します。メリットだけでなく、リスクについても十分に理解した上で検討することが重要です。

4. ネット銀行の自動振込サービスを活用する

複数の銀行口座を持っている場合、メインの給与振込口座から貯蓄用口座(例えば、別のネット銀行の口座など)へ、毎月自動的に一定額を振り込む設定をすることができます。これにより、用途ごとに口座を分け、貯蓄を明確に管理することが可能になります。

無理なく続けるためのポイント

先取り貯蓄は継続が重要です。無理なく続けるためのポイントをいくつかご紹介します。

1. 手取り収入の割合を決める

一般的に、手取り収入の10%から20%を貯蓄に回すことが推奨されています。しかし、新社会人の方で生活費にゆとりがない場合は、まずは手取りの5%など、無理のない少額から始めてみましょう。大切なのは、少額でも良いので「毎月継続すること」です。収入が増えた際に、少しずつ貯蓄額を増やしていくことを検討してください。

2. 貯蓄の目標を設定する

「何のために貯めるのか」という目標を明確にすることで、貯蓄へのモチベーションを維持しやすくなります。例えば、「1年後に〇〇円貯めて旅行に行く」「3年後に留学資金として〇〇円貯める」「将来の住宅購入資金のために」など、具体的な目標を設定してみましょう。目標が明確であればあるほど、貯蓄が単なる義務ではなく、未来への投資として前向きに捉えられるようになります。

3. 定期的に貯蓄額を見直す

年に一度、ボーナスの時期などに、現在の貯蓄額や今後の目標を見直す機会を設けましょう。昇給や生活費の変化に合わせて、貯蓄額を増やすことを検討したり、新たな目標を設定したりすることで、より効果的な資産形成が可能になります。

まとめ

20代の新社会人にとって、先取り貯蓄は、将来への漠然とした不安を具体的な行動に変え、着実に資産を築くための強力な手段です。財形貯蓄、自動積立定期預金、そして投資信託を活用した自動積立など、ご自身の状況に合わせた方法を選び、今日から小さな一歩を踏み出してみましょう。

最初から完璧を目指す必要はありません。無理のない範囲で始め、継続していくことが何よりも大切です。お金が自然に貯まる仕組みを構築し、着実にご自身のお金の未来を描いていくことを応援しています。